生徒の変化 ~大学受験合格者1号が出て・・・~

今年度、塾より大学合格者が出ました。

本人も保護者の方も受験からの開放感を感じていることでしょう。

でも、まだ塾には受験生がいるので、はしゃぎすぎるのは御法度と念だけは押しときましたけど・・・。

 

この生徒、高2の時に入塾してきましたが、当初、勉強嫌いでどうしようもないような感じだったと思います。

性格はものすごく素直で、人に頼まれるといやといえないような感じで明るい生徒です。その分自分のことになると・・・・でしたね。

 

最初、保護者の方の話ですと、塾も長続きしないと言うことでしたのでしばらくはコミュニケーション重視で接していました。

 

褒めたり、けなしたりとりあえず、モチベーションアップに重点を置いていました。

私の中では常に、やる気のない生徒に「勉強しろ」と言ってもいやになるだけで身にならないと思っています。ですので、勉強しろとはあまり言わなかったと思います。

 

ただ、その中で一点だけ見つけようとしていたのは、モチベーションをあげるきっかけとなるタイミングとその時の声かけですね。生徒によってそのときはばらばらですし、かける声もまちまちです。

 

この生徒の場合のそのときは、志望校を自分から伝えてきたときでしょうか。

「お!」です。自分から勉強について言うことをさせていた生徒が(自信のなさからくるのだとおもいますが)自ら伝えてきた。

これは、この生徒の中で「受験に合格したいでも、まだ自信ないからどうすればいい」というシグナルだと思えたのです。

このタイミングだと思いましたね。後は声かけ。

 

この声かけで注意したのが、この先の不安を取ってあげられる言葉ですね。

その言葉は「過去問見てみる?」と声かけしました。

 

どういうことかというと、今まで成績のとれていない子は、合格のためには勉強量、難易度など、ものすごい量やレベルを想像し、大きな壁がたっているように感じて不安が襲ってくると思います。

ですので、その不安からまず解放し、これならできるかもというような期待感を持たせることが必要だと思っています。

この生徒の場合、得意科目での希望校過去問を実際に見せました。ただし不得意科目は見ていません。

 

反応は、思ったより簡単そうでした。

本人の中では、学校の模試のレベルをいつも意識しているので、試験は難しいものだと無意識に感じています。

ですが、実際過去問を見ていると、模試とのレベルの違いを生で感じれたわけです。

これなら、苦手科目にもレベルを感じられるのでいい方向に向かうものです。何しろ自分で受験を意識していますからね。

 

ここまで来ると、あとはそのモチベーションを下げないよう講師陣と一緒にフォロー体制を取るだけです。

幸い、講師と生徒はうまく機能してましたし、その後の成績も上がり見事合格!

 

生徒の変化はいつ起こるか予測はつきません。しかし、こちらが焦らず、対話し、少しでも何か変化があれば見落とさないよう注意しています。

生徒一人一人に向き合い、いい方向に向かうようコミュニケーション能力を向上させないとと思いますね。

 

後日談

実は、大学合格したので塾やめるものと思っていました。

ですが、本人から塾を続けるといいだしてきました。目的は不得意科目の克服だそうです。大学入学までにそのレベルを上げて入学したいと思っている訳です。

講師の先生に大学生活について質問したり、勉強についても聞いてました。生の学生に話を聞いていい刺激になっているのではと思えるうれしい感じです。

学生講師とそういったやりとりも目的の一つでしたので。

勉強嫌いの子が目的を持ち自ら勉強しようとする。うれしいです。